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Channel: カープニッキ。
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プレミア12は成功だったのか?

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 今年初めて開催されたプレミア12。 ホスト国の日本は3位という結果に終わり、本来期待されていた優勝はなりませんでした。 果たして今回のプレミア12は成功と言えたのか、そしてどんな課題が残ったのか考えてみます。 まず個人的な見解からすれば、「トータルとしては成功」だと考えます。 最大の理由は視聴率です。 今回の日本戦は3位決定戦を除き、軒並み平均が20%を超えるという状態で推移しています。 昨今、日本のみならず、米国においても野球の視聴率が落ちています。 シーズン中の試合はほぼ地上波で放送されませんし、オールスター・日本シリーズの視聴率も10~15%という状態です。 BS・CS放送で見ている人が増えたという要因はあるでしょうが、それにしても昨今のこの数字が、そのままコンテンツとしての野球の価値を下げていたことは否めません。 今回のプレミア12の成功は、日本におけるコンテンツとしての野球の復権に貢献したのは間違いないでしょう。 そして地上波でこれだけの視聴率を出したことは、普段そこまで興味を持っていない人達も見たことを意味しており、ファン層を広げるという意味でも非常に大事なことです。 そもそも野球に興味がなければCS放送だって契約しないですし、チャンネルを合わせることもないでしょう。 日本シリーズやオールスターゲームでも無理だったことを成し遂げた事実は決して見逃せません。 また野球としての内容に目を移してみましょう。 今回のプレミア12で久々に野球を見た人にとっては、大半が知らない選手で驚かれたのではないかと思います。 それもそのはず、2013WBCメンバーの中で、今回も選ばれている選手は6名しかいないからです。 ここ数年、日本の野球界は大谷選手を筆頭に次々と新星が誕生しており、球界を代表する選手も新陳代謝が一気に進みました。 初めての国際大会という選手も多かった中で、その若手が十分に躍動した大会になったと思います。 大半の選手はまだまだ実力が伸びて行くでしょうし、2017WBCに向けて、悪くない内容だったと評価してよいでしょう。 ここから残された課題について考えてみます。 まず気にしてほしいのは、ダルビッシュ選手や上原選手が指摘した、選手の体調の問題です。 今まで日本と米国の野球界は国際試合にほぼ積極的でなかったので、毎年の国際大会に派遣されていたのは1軍にもあまり出れていないような若手選手ばかりでした。 しかしここ数年、野球日本代表の常設化に伴い、1軍でフルシーズン活躍した看板選手たちが代表として選ばれ、本来ならシーズンに向けてコンディションを整えるための秋・春のキャンプの時期に試合を行っているわけです。 今までやったことのないことをやっているわけですから、この選手たちの体調・パフォーマンスにどのような影響が出るのかは誰にも分かりません。 しかし決して軽視していいものでもありません。 今回選ばれた代表選手たちが来シーズンどんな成績を残すのか。 そして代表試合で毎回問題になる、故障に対する保障はどうするのか。 継続して観察していく必要がありますし、問題があるようなら対策を考えないといけないでしょう。 この問題を放置すれば、選手としても協力するのに躊躇するのも当然でしょう。 安易な批判は解決策にならないと思います。 そして次に、監督をはじめとする首脳陣の問題です。 北京五輪、2013WBCと代表監督が猛烈な批判に晒され、結果として、今は日本代表以外の監督経験がないという小久保監督が就任しているわけです。 日本代表の監督をやらせる人材が枯渇した状態になってしまったのは、日本の球界全体の問題として考えるべきだと思います。 この問題が起こるたびに、それまで代表監督を経験したことのある人に頼ろうという論調が盛り上がるわけですが、果たしてそれだけでいいのでしょうか。 野球界でも指導者の育成により力を入れていくべきだと考えます。 サッカーだとコーチはライセンス制になっていて、サッカー協会主催でコーチング技術やトレーニング法、コンディショニングといった技術を学ぶ機会が必ず設けられています。 また現役の監督を講師として招き、今後指導者を希望する引退選手に対して講義をする、または世界的に戦術家として名高い監督を招いて現役の監督が戦術講義を受けるといったようなことも世界的には行われています。 かつて現・ソフトバンク監督の工藤監督もそのような姿勢を野球界も取り入れるべきではと言及したこともありました。 今回のプレミア12ではこの部分で、世界との差異を感じたことは否めません。 しかし単純にその個人を批判するだけで終わらず、システムとして改善していくような試みが必要ではないでしょうか。 そして野球の内容ですね。 MLBのロースター40人が参加せず、30球団1200人の選手が参加しないことになったわけですが、それでもまだところどころのプレーでもパワーの差を痛感しました。 今回、何度か負けそうになった試合においても、反撃のきっかけになったのは中田選手という日本人屈指のパワーヒッターの力でした。 昨今の日本人スラッガーの不足はますます深刻化しつつありますし、これが日本人の体格だけの問題なのか、それとも日本の指導法の問題も絡んでいるのかについて、改めて考えても良いのではないでしょうか。 以上のような課題もいくつか抱えつつ、今回のプレミア12は終了しました。 これらの課題をうまく解決すれば、また野球日本代表が世界一に返り咲き。 野球界にも良い影響をもたらすのではないかと。 ボクは信じています。 ひとまず、選手の皆様はお疲れ様でした。 最後まで感動をありがとう。 そして来シーズンの活躍をまた期待しています。 しかしこれでもうマエケンの投げる姿が、しばらく日本では見れないのかと思うと残念です・・・

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