はじめっから嫌な予感はしてましたが、大瀬良の診断結果は「右肘内側側副靱帯部分損傷」で2週間の安静加療とのことで。 前回の記事で「加療」について書いちゃったので、変な誤解を避けるために今回のケースについても調べてみました。・ ひじの内側側副靭帯損傷は、いわゆる”野球ひじ”の一つ。・ 靭帯損傷自体は重症度としては3つに分けられる(靭帯が伸びた状態<部分断裂<完全断裂)。・ 今回は「安静加療2週間」という診断から、部分断裂まではいっていないと推測される。・ 治療中は完全ノースローで、サポーターやギプスなどで固定。その後リハビリをしてから復帰する。・ 9割は元通りに野球が出来るようになる。・ 予防は、「投球数制限」や「正しい投球フォームを身につける」ことなど(参考:こちらとこちら) ひとまず安心なのは、靭帯損傷の中でも最も軽度の段階で気づいた、というところでしょうか。 どうも軽度の場合ですと、痛みも炎症も少ないようで、なかなか気づかないこともあるそうです。 そして現時点ではしっかり治せば、元通り復活出来る可能性も十分にあると。 ただ最も軽度であったとしても、少なくとも開幕は無理であるのは間違いなく、慎重に対応するのであれば、1軍復帰は早くても5月以降になるんじゃないでしょうか。 焦らず、しっかりと治してから帰ってきてほしいと思います。 ただここで、「今回の靭帯損傷がどうして起きたのか?」を考えてみます。 今春キャンプの前半である2月9日に、大瀬良にブルペン禁止令という出来事がありました。 この時は何故ブルペン禁止という事態に至ったのかと言えば、「フォームが固まっていなかった」という問題があったからですね。 そして”野球ひじ”というのは、正しい投球フォームで投げることが出来ていないと起こりやすいのです。 恐らくはこの正しい投球フォームで投げることが出来ていなかった期間に、今回の損傷が発生したのではないでしょうか。 つまりブルペン禁止、という対応は間違ってなかったわけです。 昨年の酷使が原因、という批判をする人もいますが、直接的な原因ではないと思います。 少なくとも昨年の段階で起きていたのであれば、もっと早い段階で気づいたでしょうし、靭帯は治りは遅いですが、修復が行われる組織なので、このオフの期間中に回復したことでしょう。 ただ何度も靭帯損傷を繰り返すと、だんだん靭帯が薄くなっていって脆くなるらしいですし、そもそも野球ひじの予防法の1つは「投球数制限」なので、昨年の酷使が全く影響していないかというと完全には否定できません。 カープはここ10年くらい、3年間以上、安定して活躍する中継ぎ投手を輩出出来ていません。 その原因は、主に2つあると思います。 一つは短期間でも活躍していた投手が故障してしまうことです(今村・中田など)。 この場合は酷使された翌年に故障が発生するパターンが多いので、登板数過多と関係していると思います。 そしてもう一つは、そもそも短期間でも勝ちパターンの中継ぎとして使える投手が少なかった点です。 ここ10年のドラフト指名した選手を思い返してみても、中田・今村・中崎・大瀬良の4人位しか思いつきません。 これはドラフトや育成面での問題が大きいと思います。 これらのしわ寄せが、昨年の大瀬良のシーズン途中の中継ぎ転向、そして大瀬良と中崎の酷使という結果になってつながっています。 そろそろこのカープの先発偏重型の編成を見直す、いい機会ではないでしょうか。 今シーズンは昨年よりも中継ぎ陣が充実していますし、一部の投手頼みになる事態も避けられそうなので、後は首脳陣の運用に期待したいですね。
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