「腐ったミカンが箱の中に一つあると、他のミカンまで腐ってしまう」 「他のミカンを救うためには、腐ったミカンは放り出さなければならない」 これは某有名ドラマにでてくるセリフですが、これを今回の野球賭博問題に当てはめて考えてみましょう。 すでに”腐ったミカン”は放り出したはずですが、まだ”傷んだミカン”が残っていたわけです。 しかし現状では、全ての”腐ったミカン”を捨てることが出来たのかは分かりません。 むしろ巨人球団という「箱」に問題があったのではないか、という世間の疑いが拭い去れたとも言えないでしょう。 果たしてこの時点で、経営のトップ3が辞任したことは、本当に責任を取ったと言えるのでしょうか。 誰かが、さらなる「選別作業」を進めて行かねばならないのですが、その作業を後任に押し付けただけに思えるのですが。 そして残された高橋監督のサポートは誰が行うのでしょうか。 そして今、本当に大事な事は、このところ地に落ちたともいえる野球界のイメージ回復でしょう。 昨年の野球賭博問題、そして元有名選手の薬物問題と、立て続けに良くない話題で野球がワイドショーネタになり、さらには子供たちの将来なりたい職業トップテンから野球が消えるという状況がありました。 そして今回、開幕直前のこの時期に、賭博話題がまたトップニュースとなってしまいました。 セリーグファンにとっても、良く目にしていた選手だけに衝撃力が大きいですね。 最も避けなくてはいけないのは、野球界という「大きな箱」がこれらの問題の温床になっている、というイメージを持たれることです。 こうなってしまっては、野球界に未来はないのは間違いありません。 このような事態を避けるため、これから野球界全体を巻き込んだ「選別作業」と、再発防止策を考えていく必要があるのではないでしょうか。 具体的には、選手への倫理教育講習の実施やWADAへの加盟などがあげられるでしょう。 都合よく、球界を20年間に渡り牛耳ってきた某人物がいないので、大改革をするなら今だと思います。 コミッショナーには大変な負担がかかるでしょうが、今はむしろ改革のチャンスだと捉えて欲しいです。 少なくとも、腐ったミカンを全て放り出せばすべて終わり、という「腐ったミカンの方程式」はもう通らない論理だとボクは考えます。 某ドラマでは最後には「我々が作っているのはミカンではない、人間なんだ」と否定されるように。 野球界もしっかりした人間を作れる場になって欲しいところです。○ 補足 球界を牛耳ってきた某人物は球界の発展に大きく貢献してきたという意見がありますが、それは大きな間違いです。 こちらの記事を見る限り、某人物が96年にオーナーに就任して以来、NPBの収入はほとんど増えていません。またプロ野球の視聴率が最も好調だったのも1975年~90年までの正力オーナーの時代です。それ以降は下がる一方になっています。 対するMLBはこの間にバド・セリグ前コミッショナーのもとで大きな発展を遂げ、今やNPBとの収入差は10倍まで拡大しています。 この格差は”放映権料”に由来するのですが、これはそのままプロ野球というコンテンツの価値を上げることが出来なかった、という意味でもあります。 特に自身の球団の視聴率が下がる一方、地上波放送も減少の一途であるというのに、そのオーナーが球界にどう貢献したのかは疑問でしかありません。
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