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2017カープドラフトを考える ~補強ポイントとドラフト候補の紹介~

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 さていよいよ2週間後に迫るドラフトに備えて、補強ポイントのチェックをしていきたいと思います。 恒例のポジション別年齢表から、補強ポイントがどのあたりにあるかを考察していきます。 さて現状のカープですが、年齢構成は全体としては非常に良好です。 選手の体力的なピークが30歳前後あたりになるわけですが、主力選手のほとんどが30歳以下に当たるため、FAでの流出などがない限りは数年内はそう大きくは戦力が落ちることはないでしょう。 支配下登録枠は64人。ここからさらに恐らくペーニャは高確率で自由契約でしょうし、外国人投手も1,2人自由契約になるかもしれませんね。 ただ今までと状況が違うのは、外人選手の育成までカープは始めていて、6年契約のバティスタ、メヒアはそう簡単に放り出すことはあり得ない点です。 これを踏まえると、恐らく来シーズン中に外人野手を急遽補強するということにはほぼならないでしょう。 つまり外人の補強があるとしたら、中継ぎ投手になると予想します。 まず投手から。 巷のカープファンの間では先発投手の指名が最優先だという声を良く聞きます。 しかしボクとしてはこれに異論を唱えておきたいと思います。 確かに、即戦力先発投手(1年目から即ローテ入りして10勝以上は期待できる)のであれば、その選手をドラフト1位で取りに行くのは間違いではないでしょう。 ただ今年のドラフト候補で、実際にその位期待できる選手というのは本当にいるのでしょうか。ここが自分としては引っかかる部分です。 普段はドラフト雑誌でも、この選手は”先発ローテに入って10勝、15勝は固い”というような謳い文句がついたりするものなのですが、今年に関しては一番の目玉の田嶋大樹投手(JR東日本)ですら、余りそういう形容詞がついていないように見受けられます。 むしろ”ハマればすごい”という形容詞が前につく選手が多いような気がします。これが今年のドラフトが”不作”という、失礼な言い方をされてしまう所以だと思います。 確かに今年のカープの先発陣は、病み上がりのジョンソンを無理させて登板させないといけなかったほどに、信頼できる先発が足りない時期がありました。 ただ来年を考えますと、頭数としては薮田、ジョンソン、大瀬良、岡田、中村祐、九里に、ファームには高橋樹、高橋昴、加藤、床田、福井、アドゥワと、まだまだ伸びる可能性を秘めている選手が多くいます。(手術をした床田は来年終盤まで出てこれないでしょうが) 現に今年と去年の先発陣は顔ぶれがガラッと変わりました。 2016年投球回上位6人(ジョンソン、野村、黒田、岡田、ヘーゲンズ、九里) 2017年投球回上位6人(野村、大瀬良、岡田、薮田、九里、ジョンソン) 来年は先発に関しては若手選手の伸びに期待してもいいのではないかと思っています。 また、来年のドラフトは大豊作(高校のミレニアム世代など)とすでに言われていて、かなり有望な選手が多いのももう一つの理由です。 ボクがむしろ危惧しているのは中継ぎ陣のほうです。 昨年というよりここ数年、余り顔ぶれに変化がありません。 2015年リリーフ登板数上位7人(中崎、ヒース、大瀬良、一岡、戸田、永川、今村) 2016年リリーフ登板数上位7人(今村、ジャクソン、中崎、ヘーゲンズ、一岡、オスカル、九里) 2017年リリーフ登板数上位7人(今村、ジャクソン、中崎、一岡、中田、ブレイシア、薮田) 今村、中崎、ジャクソン、一岡、中田以外の信頼度がイマイチすぎるため、この5人の中から一人でも故障者が出るとうまく回らなくなります。そして勤続疲労の可能性も考える必要があります。 彼らの負担を減らすためにも、信頼できるリリーフ投手こそが、補強ポイントとして先発投手よりウェイトが大きいのではないかと考えています。 リリーフで力になってくれそうな選手は外国人の補強の他、ドラフトの下位でも見出すことが出来るのですが、即戦力級が2人指名出来たらいうことないですし、リリーフの柱になってくれそうな将来性がある選手も1人は欲しいところです。 カープのドラ1位候補としては、MAX157キロ右腕の鈴木博志投手(ヤマハ)が名前として上がってきています。 確かにノーコン、変化球がイマイチなのは頂けないのですが、球速は他の選手と一線を画します。投球練習から150キロ中盤近くまで普通に出ていますので。 恐らく来年順調にくれば、150キロ後半をガンガン投げ込んでくるんじゃないでしょうか。年齢も21歳と若いです。 他にも社会人No.1先発投手の田嶋大樹投手(JR東日本)、小柄ながら150キロ近い速球を武器にする東克樹(立命大)投手、長身右腕の鈴木康平(日立製作所)投手などの名前が挙がっています。 個人的には将来性を買って清水達也投手(花咲徳栄)とか好みなんですけどね。フォームが昔カープにいたシュルツにしか見えません(笑)これは活躍する!(笑) またハマった時の力は一番あるという馬場皐輔(仙台大)投手も注目しているのですが、まぁ外れ1位以内で消えるでしょうし、2位には確実に残っていないでしょう。奪三振率が圧倒的なのがすごいです。 また変則投法タイプも、今のカープではほぼ絶滅危惧種になっているので、コントロールがいいアンダースローの與座海人投手(岐阜経済大)、変則左腕サイドスローの渡邉雄大投手(新潟BC)や長身アンダースローの高橋礼投手(専大)などが中位以降で残っていたら指名してくれないかなぁと考えています。 また左殺しともいえる左腕がいたらいいのですが、中々そう簡単に当たりは引き当てられないでしょうね。このあたりは名前は色々と上がるもののボクには見わけがつきませんし、誰がいいというのも余りありません。 さていつものように野手は1ポジション4人制で整理していきます。 ただカープはバックアップに関しては複数ポジションを守れる選手を何人か揃えており、評価が難しいところもあります。ポジション:①本命②対抗③バックアップ④育成1塁: ①エルド・新井 ②松山  ③メヒア  ④青木陸2塁: ①菊池     ②上本  ③庄司   ④木村聡3塁: ①安部     ②西川  ③小窪   ④美間遊撃: ①田中広    ②西川  ③安部   ④桒原 まずショート・セカンドは入り込む隙がないですね。故障以外ありえません。 西川・安部もいますし、バックアップ・育成の選手たちもしっかりいるため、このポジションを無理に補強する必要はないでしょう。 あるとすれば育成クラスで高校生を下位で指名するくらいでしょうか。下位まで残っていない気もしますが、驚異の足を誇る高松渡遊撃手・外野手(滝川二)や、甲子園でも守備で沸かせた西巻賢二(仙台育英)あたりに注目しています。 田中広の実弟の田中俊太二塁手(日立製作所)がドラフトの目玉の1人ですが、恐らくドラフト2位以内で指名されると思いますので、カープには残念ながら縁がないでしょう。兄弟で同じポジションを争うことになりうるのも余り良くありませんし。 問題は1塁と3塁です。 特に1塁はエルドレッドと新井が2人とも高齢で、いつ一気に衰えても不思議はありません。 メヒアは外人枠の関係で制限がかかる可能性があり、松山も年齢的にはピークを過ぎつつあります。 つまりこのポジションでバックアップ、もしくは近い将来のスタメンに当たる選手を補強する可能性があると考えます。 勿論、今は3塁を守る美間をファーストに持ってくることもありでしょう。ただファームでの動きを見ていると、ファースト専にするには勿体ないなと思える動きをしているので、今すぐ専念させる必要は低いかなと。 このポジションは補強したとしても、ドラフト4位以下になるのではないかと思います。個人的には、丸子達也一塁手(JR東日本)や片山勢三一塁手(九州共立大)あたりがどうかなと思っています。 ドラフトの目玉は勿論、清宮幸太郎一塁手(早稲田実)ですね。もはや説明不要です。 ただカープは指名回避の方針をすでに表明しています。どこに行くのか注目です。 そして3塁。 安部はいい選手ですが、正直サードのみとして考えると、今年の働きぶりでもリーグ平均クラスということになります。 つまり安部以上に打てて、ある程度守れる選手が将来的には必要になってきます。 育成クラスだと美間がいますが、現時点では打力、走力共に劣り、まだまだ相当頑張らないといけません。 打球に角度をつけられるようになってきたら、一気に変わりそうな気はするんですけどね。フライボールレボリューション待ったなし。 ここでカープのスカウトからの評価が高い、中村奨成選手(広陵高)を指名する可能性はボクはかなりあると予想します。 中日新聞の記事で、サードとして、そもそも考えているということを本人に伝えたとのスカウトの話があるようですし。 また中学時代の恩師の監督も、「個人的には奨成の伸び伸びとしたプレー、バッティングを最大限に生かすならセンターあたりも」(野球太郎No.024の記事内)と発言されていて、いずれにせよカープにもし入団、ということになればコンバートは確定というところでしょう。 個人的なイメージは、身長が180センチある菊池ですかね。反応速度、肩が桁違いに良いです。ただ菊池は野球IQがかなり高い選手であるので、そこまで同じかは不明ですが。 内野に菊池みたいなのが2人で走り回ってたら、見てて楽しいだろうなぁ、というロマンを優先した考えであることは否定しません(笑) ドラフト的には安田尚憲三塁手(履正社)がドラ1確実といわれています。 大きな体に長打力を兼ね備えており、カープ的にもドンピシャに思える選手なのですが・・・。 ボクも初めは安田選手が一番いいなぁと思っていたのですが、ドラフト界隈の情報を探っていくと、どうも評価が上がり切らない面があるようで。 恐らくもっさりした感じのある守備面と、見逃し三振が多い点なのかと思われますが、正直良く分かりません。 ただ長打力は本物ですし、U18日本代表でも悪くなかったので、ドラフト1位は確実でしょう。 そして外野陣について。右:  ①鈴木誠   ②松山  ③野間  ④なし中:  ①丸     ②野間  ③下水流 ④高橋左:  ①バティスタ ②松山  ③堂林  ④なし 丸、鈴木誠のスタメンは固く、バックアップに野間、松山がいます。 バティスタは来季の1軍レフトの最有力でしょう。 ただカープがここ5年間で指名した外野手は下水流(12年4位)、野間(14年1位)の2人のみであり、全体的な高齢化が進んでいます。 5年先のチームを考えると、そろそろ育成ポジションで選手を指名する必要が出てきています。 即戦力級は必要ないですが、次世代のレギュラー外野手になれる選手、それも打力優先タイプというところでしょうか。 ちなみに今年は高卒の外野手の素材は結構豊富にいます。 個人的にはバットコントロールに優れつつも、しっかり振り切れる西川愛也左翼手(花咲徳栄)に惹かれます。肩の負傷がどの程度回復するかは心配ですが。 他には、楽しそうに野球をやる姿が目立つ増田珠中堅手(横浜)、六大学の連続HR記録を作った岩見雅紀左翼手(慶応大・外野手)は上位指名されるのではないかと目されています。 岩見選手は本当に魅力的なんですが、投げ方だけはすごい気になります。あまりにぎこちない動きにMLBのハンター・ペンス選手を一瞬思い浮かべましたが、彼と違って普通に肩が弱いだけという。あれが改善出来ればいいんですけれども。 そして捕手。捕手: ①會沢 ②石原 ③磯村 ④坂倉・船越 来期はファームは坂倉・船越を中心に育成することになるのは確定的で、ここに名前が挙がってない選手たちはもしもの時にしか出番がないでしょう。 ただ坂倉はもしかしたら、来期にも磯村を追い抜いてしまうかもしれません。それくらいに抜けていると思います。磯村もガンバレ。 ほぼこのポジションでドラフトで指名する必要はないと思います。 故障者が複数人出たら心配ですが、指名しても上に名前を挙げた選手の代わりになるとも思えないので、ここでの指名はないでしょう。 以上の事から、カープの補強ポイントをまとめてみます。① 中継ぎ投手(即戦力大歓迎、将来の中継ぎの柱も出来ればほしい。左ならもっと嬉しい)② 先発投手(エース候補欲しい。ただ優先度は中継ぎよりも低い。左ならもっと嬉しい)③ 将来のサードレギュラー候補(中村選手が外れたら取らないかも。打力必須)④ 将来の外野レギュラー候補(打力優先タイプ)⑤ 近い将来の1塁手レギュラー候補(1塁守備も破綻のない程度に必要) こんなところでしょうか。 球団のドラフトの考え方としては、来年に向けての補強と5年先を考えた指名のバランスで決定することになります。 特にカープはスカウトの力も強いので5年先を考えた指名になりやすいです。 ただ2連覇したことで、3連覇、そしてしばしの黄金期を目指して、来年に向けての補強を優先すべきという考え方がファンから結構聞かれるようになりました。 それもまた間違いではないと思います。 ただボク個人の考えを述べるなら、”常に上位争いをするためのチーム作りをする”ことを優先してほしいと考えています。 総合力はある程度高くても、スケールは小さめな選手が増えすぎると、長い目ではチームにとっての大きな負債になると考えます。不良債権をたくさん抱えた状態からの脱却は並大抵ではありません。 足りないポジションの補強を優先しすぎると、将来的なスケールといった観点は後回しになりがちです。 これは今でいうなら中日が一番良い例ではないでしょうか。 資金力に劣るカープは一度悪いサイクルに入ると中々抜け出せませんでした。 15年連続Bクラスの暗黒時代は、育てたスケールの大きな選手が次々とFA移籍したことによって、このサイクルに入っていたと思います。後はコンディショニングの考え方が無かったので、主力に故障が多発したこともあるでしょう。また少なからず逆指名ドラフト制も影響しているとは思います。 少なくともブラウン監督時代の頃、日本代表に入ったカープの野手は栗原しかいませんでした。可能性としても他にそれを感じられる選手はいなかったです。(梵は同ポジションにG坂本選手、D井端選手などがいたのでムリでした) その点、今のカープは全く違います。 毎試合、見てて楽しい選手たちが揃っています。 一番避けるべきは、この悪いスパイラルにハマりかねないことであって、実戦力はあるが伸びしろが小さめな選手を多くしすぎると、長期的には無理が生じて来るのではないかと考えています。 スケールだけを優先しても上手く行かないでしょうが、今のカープはスケールを優先する余裕があるチームだと思います。 スーパーサブの選手はいっぱいいますから。 いずれにせよ今の2連覇を成し遂げたのは、スカウト、そして育成の力が大きかったのは間違いありません。 この2つの力はカープという組織の持つ独自力です。 スカウトの眼力を信じて、5年先の指名を優先していくことは、急がば回れということになるのではないかとボクは考えています。 いずれにせよドラフトが楽しみですね。 10月26日が待ちきれません。

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